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マニュアルモード(M)の使い方|明るさを自分で決める露出の基本設定

Camera
マニュアル露出モード(M)の使い方のアイキャッチ(シャッタースピードダイヤル)

絞り優先モード(A)やシャッタースピード優先モード(S)に慣れてくると、「明るさまで全部、自分で決めてみたい」と感じる場面が出てきます。そんなときに使うのがマニュアル露出モード(M)、いわゆるマニュアルモードです。

Mモードは、絞り(F値)とシャッタースピードの両方を自分で決めるモードです。むずかしそうに見えますが、画面の「M.M.」という目安を見ながら合わせれば、思ったより気軽に使えます。この記事では、ソニーα7 IVのヘルプガイドをもとに、Mモードの基本と、ISO AUTOや露出補正との組み合わせ方を紹介します。

絞りとシャッタースピード、ISO感度の考え方は、それぞれ絞り優先モード(A)の使い方、シャッタースピード優先モード(S)の使い方、ISO感度の仕組みと使い分けで解説しています。

※2026年11月時点の情報です。操作はソニーα7 IVを例にしています。ほかの機種では、ダイヤルの名前や割り当てが異なる場合があります。


先にポイント:Mモードで明るさを決める3つのコツ

POINT 1
M.M.を「0」付近に
画面の「M.M.」は明るさの目安です。0がカメラの考える適正な明るさで、+で明るく、-で暗く写ります。
POINT 2
撮りたい表現から先に決める
ぼかしたいならF値、動きを止めたいならシャッタースピードを先に決め、残りで明るさを合わせます。
POINT 3
迷ったらISO AUTO
ISO感度をAUTOにすると、F値とシャッタースピードを決めたまま、明るさはカメラが合わせてくれます。

マニュアル露出モード(M)とは

Mモードは、ソニーのヘルプガイドで「絞り値とシャッタースピードの両方を手動で調節する。自分の好みの露出で撮影できる」と説明されているモードです。ほかのモードと比べると、カメラにまかせる部分がいちばん少ないモードといえます。

モード絞り(F値)シャッタースピード
P(プログラムオート)カメラカメラ
A(絞り優先)自分カメラ
S(シャッタースピード優先)カメラ自分
M(マニュアル露出)自分自分

AモードやSモードでは、カメラがもう一方を自動で調整して、写真の明るさをそろえてくれます。Mモードでは、その調整も自分で行います。そのぶん、カメラの判断に左右されず、露出の設定を自分の狙いどおりに固定できるのが大きな特徴です。

明るさの目安「M.M.(メータードマニュアル)」を見よう

Mモードで明るさを決めるときの目安になるのが、画面に表示されるM.M.(メータードマニュアル)です。今の設定で撮ると、カメラが考える適正な明るさよりどれくらい明るいか暗いかを示しています。

METERED MANUAL
M.M.の見かた
-側
暗めに写る
0
カメラが判断した適正露出
+側
明るく写る

α7 IVでは、モニターでは数値、ファインダーでは測光インジケーターで表示されます。測光できる範囲を超えているときは、M.M.の値が点滅します。

「0」はあくまでカメラが判断した明るさです。白いものが多い場面や、夜景のように暗さを残したい場面では、あえて+や-にずらして撮るのも、Mモードならではの使い方です。

絞りの目盛りが見えるカメラレンズ

設定の手順

α7 IVでの手順は次のとおりです。

  1. 静止画/動画/S&Q切換ダイヤルを静止画にして、モードダイヤルを「M」(マニュアル露出)に合わせます。
  2. 前ダイヤルで絞り値(F値)を決めます。
  3. 後ダイヤルLでシャッタースピードを決めます。
  4. ISO感度を決めます(あとで紹介するISO AUTOも使えます)。
  5. 画面のM.M.を見ながら、狙いの明るさになるように、F値・シャッタースピード・ISO感度のどれかを調整して撮影します。

ダイヤルに割り当てる機能は、「カスタムキー/ダイヤル設定」で変えることもできます。

何から決める?おすすめの順番

  • ぼかしたい・ピントの範囲を決めたいとき:先にF値を決め、シャッタースピードで明るさを合わせます。
  • 動きを止めたい・流したいとき:先にシャッタースピードを決め、F値で明るさを合わせます。
  • どちらも決めたいとき:F値とシャッタースピードを決めて、ISO感度で明るさを合わせます。

明るさを変えずに組み合わせだけ変える(マニュアルシフト)

α7 IVでは、AELボタンを押しながら前ダイヤルか後ダイヤルLを回すと、設定した明るさのまま、シャッタースピードとF値の組み合わせだけを変えられます。ちょうどいい明るさが決まったあとで、「もう少しぼかしたい」「もう少し速いシャッターにしたい」というときに便利です。

ISO AUTOと露出補正を組み合わせる

Mモードでも、ISO感度を「ISO AUTO」にできます。ヘルプガイドでは、ISO AUTOにすると、調整した絞り値とシャッタースピードで適正な明るさになるようにISO感度が変化すると説明されています。

つまり、F値とシャッタースピードは自分で固定し、明るさだけカメラにまかせる使い方ができます。たとえば、運動会や室内のスポーツで「シャッタースピードは速く、F値は開けたまま」にしておけば、明るさが変わる場面でもISO感度が自動で追いかけてくれます。

MモードでもISO AUTOなら露出補正が使える

α7 IVでは、MモードのときはISO感度がISO AUTOのときだけ露出補正ができます。ISO AUTOの明るさを「少し明るめに」「少し暗めに」したいときは、露出補正で調整しましょう。静止画の露出補正は-5.0EVから+5.0EVの範囲で設定でき(撮影画面で明るさを確認できるのは±3.0EVまで)、お買い上げ時の設定では後ダイヤルRに割り当てられています。後ダイヤルRは、ロックを解除してから回します。

ISO AUTOのときの注意
ISO AUTOにしているときは、M.M.は表示されません。また、設定したF値とシャッタースピードではISO感度を調整しても適正な明るさにならない場合は、ISO感度の表示が点滅します。そのときは、シャッタースピードかF値を変えましょう。

ISO感度は、高くなるほどノイズが増えます。ISO AUTOの上限と下限は設定できるので、ノイズが気になる場合は上限を決めておくと安心です(設定方法はISO感度の仕組みと使い分けで紹介しています)。暗い体育館などで上限まで上がっても明るさが足りないときは、ISO感度の表示が点滅するので、シャッタースピードを少し遅くするか、F値を小さくしましょう。

画面の明るさに注意:ライブビュー表示設定

α7 IVでは、「ライブビュー表示設定」の「ライブビュー表示」で、「設定効果反映On」か「設定効果反映Off」を選べます。

  • 設定効果反映On:撮影の設定をモニターの表示に反映させて、撮影結果に近い明るさで表示します。
  • 設定効果反映Off:設定を反映させずに表示します。Mモードのときも、ライブビューは常に適正な明るさで表示されます。

Offにすると構図は確認しやすくなりますが、画面の明るさと撮った写真の明るさが一致しません。Mモードで「画面では明るかったのに、撮ったら真っ暗だった」というときは、この設定を確認しましょう。なお、Onにしていても、モニターの明るさと撮影した写真の明るさが完全に一致するとは限らないので、撮影後に写真やヒストグラムで確認すると安心です。設定は「MENU」→「撮影」→「撮影画面表示」→「ライブビュー表示設定」から変更できます。

海辺でフィルムカメラを構える女性

Mモードが向いている場面

星や花火、光の軌跡
長い時間シャッターを開ける撮影
夜景や逆光
カメラまかせだと明るさが狙いとずれる場面
照明が変わらない室内の撮影
何枚撮っても明るさをそろえたいとき
運動会や室内のスポーツ
F値とシャッターを固定してISO AUTO

ソニーのα7C向けのチュートリアルでも、Mモードは星の軌跡や、花火の光が尾を引くような写真に適したモードとして紹介されています。AモードやSモードでは、構図に白いものや暗いものが入るだけで明るさが変わることがあります(露出補正やAEロックで対処することもできます)。MモードでISO感度も数値で決めておけば、構図が変わっても露出は変わらないので、光の条件が同じなら明るさをそろえて撮り続けられます。

港の夜空に上がる花火

長い時間シャッターを開ける「バルブ撮影」

シャッターボタンを押している間だけシャッターが開き続ける「バルブ撮影」は、Mモードで設定します。花火や星の軌跡など、30秒より長く露光したいときに使います。

  1. 静止画/動画/S&Q切換ダイヤルを静止画にして、モードダイヤルを「M」にします。
  2. 後ダイヤルLを左に回して、シャッタースピードを「BULB」にします。
  3. 前ダイヤルでF値を決め、シャッターボタンを半押ししてピントを合わせます。
  4. 必要な時間だけ、シャッターボタンを押し続けて撮影します。

ブレを防ぐために、三脚と、別売のBluetoothリモコンやロック機能付きのリモートコマンダーを使うのがおすすめです。花火のときは、マニュアルフォーカスにしてピントを無限遠に合わせておきましょう。

なお、ドライブモードが連続撮影、セルフタイマー(連続)、各種ブラケットのとき、電子シャッターを使っているとき、インターバル撮影のときは、BULBを設定できません(BULBのままこれらの機能を使うと、シャッタースピードは一時的に30秒になります)。また、露光時間が長いほどノイズが目立ちやすくなり、「長秒時ノイズ低減」が「入」のときは、シャッターを開けていたのと同じ時間だけ処理が行われ、その間は次の撮影ができません。

よくある失敗と対処法

失敗よくある原因と対処法
真っ暗、または真っ白に写るM.M.が大きく-や+にずれています。M.M.が0付近になるように、シャッタースピード、F値、ISO感度のどれかを調整します。
画面では明るかったのに暗く写るライブビュー表示設定が「設定効果反映Off」になっている可能性があります。Onにすると、撮影結果に近い明るさで表示されます。
写真がブレるシャッタースピードが遅すぎます(Mモードでは手ブレ警告の表示が出ません)。シャッタースピードを速くして足りない明るさはISO感度で補うか、三脚を使います。
ISO感度の表示が点滅するISO AUTOでも明るさを合わせきれない状態です。シャッタースピードかF値を変えます。
露出補正が効かないMモードでISO感度がISO AUTO以外になっていると、露出補正はできません。

気になるギモン

Mモードは初心者には難しいですか?

画面のM.M.を見ながら0付近に合わせれば、思ったより簡単です。まずは明るさが変わらない場所で、F値とシャッタースピードを変えながら、M.M.の動きを確かめてみてください。

AモードやSモードと、どう使い分けますか?

ふだんのスナップなど、明るさが変わる場面ではAモードやSモードが手軽です。星や花火、夜景のように明るさを自分で決めたいとき、何枚撮っても明るさをそろえたいときは、Mモードが向いています。

MモードでISO AUTOにしたら、Mモードの意味がなくなりませんか?

F値とシャッタースピードは自分で決めているので、ぼけや動きの表現は自分で選べます。明るさだけをカメラにまかせる使い方として、動きのある被写体を撮るときに便利です。明るさまで固定したいときは、ISO感度も数値で決めましょう。

まとめ

マニュアル露出モード(M)は、F値とシャッタースピードを自分で決め、画面のM.M.を目安に明るさを合わせるモードです。ISO感度も数値で決めれば露出を固定できるので、星や花火、夜景、照明が変わらない室内の撮影などで力を発揮します。迷ったときは、ISO AUTOと露出補正を組み合わせると、Mモードでも気軽に撮影できます。

露出の3つの要素は、それぞれ次の記事で詳しく解説しています。

※出典:ソニー α7 IV ヘルプガイド(マニュアル露出、露出補正、ISO感度、バルブ撮影、ライブビュー表示設定、モードダイヤル)、ソニー α7C チュートリアル「露出のモードを切り換える」。内容は変更される場合があります。

PHOTO CREDITPixabay