シャッタースピード優先モード(S)の使い方|動きを止める・流す基本設定
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走り回る子どもやペット、流れる水、夜の車のライト。動いているものを撮ると、思ったようにブレてしまったり、逆にピタッと止まりすぎて動きが伝わらなかったりしますよね。そんなときに使いたいのが「シャッタースピード優先モード(S)」です。
シャッタースピードを決めるだけで、明るさはカメラが合わせてくれます。絞り優先モード(A)が「ぼけ」を決めるモードなら、Sモードは「動きの写り方」を決めるモードです。この記事では、ソニーの公式ヘルプガイドとサポートページの説明をもとに、設定の手順、シーン別の目安、流し撮りのコツまで順番に紹介します。
※ボタンやダイヤルの名前、メニューの名称は機種によって異なります。手順の例はα7 IVのヘルプガイドをもとにしています。お使いのカメラの取扱説明書もあわせてご確認くださいね。
先にポイント:Sモードで動きを決める3つのコツ
- 速いシャッターで「止める」、遅いシャッターで「流す」:ダイヤルを「S」に合わせて、シャッタースピードを決めるだけです
- 明るさはカメラにおまかせ:シャッタースピードを変えても、絞り(F値)を自動で調整してくれます。ISO感度をAUTOにしておくと、ISO感度も自動で決まります
- F値が点滅したら合図:その設定では明るさを合わせきれない、というサインです。シャッタースピードを変えましょう
シャッタースピード優先モード(S)とは
モードダイヤルを「S」に合わせると、シャッタースピードを自分で決めて、明るさが適正になるように絞り値はカメラが自動で決めてくれます。ソニーのヘルプガイドでは、動きを止めて写したり、軌跡を写したりと、動くものの表現を変えた撮影ができるモードと説明されています。
ソニーのサポートページでは、Sモードではシャッタースピードを決めると、絞り(F値)とISO感度がカメラで自動的に設定される、と説明されています(ISO感度をAUTOにしている場合)。「動きの写り方は自分で決めたいけれど、明るさの計算はカメラにおまかせしたい」という方にぴったりです。
シャッタースピードの仕組みを知ろう
シャッタースピードとは、イメージセンサーの前にあるシャッターが開いている時間のことです。「1/1000秒」「1/60秒」「1秒」のように、時間で表します。
- 速いシャッタースピード(1/1000秒など):シャッターが開いている時間が短いので、動いているものが止まって写ります。そのぶん入る光が少なくなります。
- 遅いシャッタースピード(1/15秒、1秒など):シャッターが開いている時間が長いので、動いているものが流れて写ります。光はたくさん入りますが、手ブレも起きやすくなります。
たとえば、1/60秒から1/30秒にすると、センサーに入る光の量は2倍になります。Sモードなら、シャッタースピードを変えても写真の明るさが変わらないように、カメラが絞りを自動で調整してくれるので安心ですよ。
設定できるシャッタースピードの範囲は機種によって違います。たとえばα7 IVの静止画では、1/8000秒〜30秒です(バルブ撮影は、Mモードで設定する手順になっています)。
設定の手順
設定はとても簡単です。α7 IVのヘルプガイドでは、次の流れになっています。
- 静止画/動画/S&Q切換ダイヤルを、静止画にします。
- モードダイヤルを「S」に合わせます。
- 前ダイヤルまたは後ダイヤルLを回して、シャッタースピードを決めます。
- ピントを合わせて、シャッターを切ります。
- 撮った写真を見て、動きの写り方を確認し、必要ならシャッタースピードを変えましょう。
設定したシャッタースピードでは明るさが合わないとカメラが判断すると、絞り値(F値)が点滅します。この場合は、シャッタースピードを変えてください。暗い場所で速いシャッターにしたときや、明るい場所で遅いシャッターにしたときに起こりやすいです。
速いシャッターで「動きを止める」
走る子ども、ジャンプするペット、スポーツなど、一瞬の動きをピタッと止めたいときは、シャッタースピードをできるだけ速くします。ソニーのサポートページでも、速い動きを写し止めるには、なるべくシャッター速度を速く設定するよう案内されています。
- 速くするほど暗くなる:シャッターが開いている時間が短いぶん、光が足りなくなりがちです。ISO感度をAUTOにしておくと、カメラが感度を上げて明るさを補ってくれます。
- 室内は特に暗い:ヘルプガイドでも、室内スポーツを撮るときはISO感度を高くするよう案内されています。
- ピントは動きに合わせる:動く被写体には、ピントを合わせ続けるフォーカスモード(AF-C)を使うと、失敗が減ります。
遅いシャッターで「動きを流す」
滝や川の流れを、絹のようになめらかに写したいときは、シャッタースピードを遅くします。ソニーのサポートページでは、同じ滝を撮った例として、次のような違いが紹介されています。
| シャッタースピード | 写り方 |
|---|---|
| 1/1250秒 | 水の一瞬の動きが止まって写る |
| 1/20秒 | 動きを感じる写真になる |
| 1/4秒 | 水の流れが絹のように写る |
夜の道路を走る車のライトを、光の線にして写すのも、遅いシャッターの楽しみ方です。数秒くらいまでシャッターを開けると、ライトの軌跡が長く伸びます。
- 三脚を使う:シャッタースピードを遅くするほど、手ブレが起きやすくなります。ヘルプガイドでも、遅くするときは三脚の使用がすすめられています。なお、Sモードでは手ブレ警告のアイコンは表示されません。
- 明るい昼間はF値が点滅しやすい:昼間に遅いシャッターにすると、絞りを一番絞っても明るすぎることがあります。その場合は、光の量を減らすNDフィルターを使います。
- 1秒以上は処理の待ち時間に注意:長秒時ノイズ低減を「入」にしていると、1秒以上で撮ったあと、シャッターを開けていたのと同じ時間だけノイズを減らす処理が行われ、その間は撮影できません(電子シャッターや連続撮影のときは、この処理は行われません)。
流し撮りに挑戦しよう
動く被写体に合わせてカメラを振りながら撮ると、被写体はくっきり、背景は横に流れた、スピード感のある写真になります。これが「流し撮り」です。ソニーのサポートページでは、流し撮りの設定として、次の組み合わせが紹介されています。
- 撮影モード:Sモード
- シャッタースピード:1/125秒くらいから始めて、少しずつ遅くしながら、ピントの合い方と流れ具合を確かめていきます。遅くするほど背景が流れてスピード感が増しますが、被写体もブレやすくなります。
- フォーカスモード:AF-C(コンティニュアスAF)
- フォーカスエリア:ゾーン、またはフレキシブルスポット(M・L)
- ドライブモード:連続撮影(Hi)
コツは、シャッターを切る前から被写体を追いかけて、シャッターを切ったあともそのままカメラを振り続けることです。レンズに手ブレ補正のモード切り換えスイッチがある場合、「MODE2」が流し撮り向けに最適化されています。三脚を使うときは、手ブレ補正をオフにしましょう。
連続撮影をたくさん使うなら、書き込みの速いSDカードを選んでおくと安心です。カメラがUHS-IIに対応していれば、UHS-IIのカードで連写が長く続くときの書き込みが速くなります。カードの選び方は、UHS-IとUHS-IIの違いで解説しています。
シーン別のシャッタースピードの目安
どのシャッタースピードにすればいいか迷ったときは、次の目安から始めてみてください。ソニー公式の例をもとに、この記事でまとめた目安です。焦点距離や被写体の速さで変わるので、撮って確かめながら調整しましょう。
| 撮りたいもの | シャッタースピードの目安 |
|---|---|
| スポーツ、ジャンプの瞬間、水しぶき | 1/1000秒より速く |
| 走る子ども、ペット | 1/500秒前後から |
| 流し撮り(自転車、車、電車) | 1/125秒から始めて、1/60秒、1/40秒と遅く |
| 滝や川の動きを出す | 1/20秒前後 |
| 滝や川を絹のように | 1/4秒より遅く(三脚を使う) |
| 夜の車のライトの軌跡 | 数秒(三脚を使う) |
手持ちで撮るときのブレの目安として、「1/焦点距離」秒より速いシャッタースピードがよく使われます。たとえば50mmなら1/50秒より速く、ということです。手ブレ補正のあるカメラやレンズなら、もう少し遅くしても止まることがあります。
よくある失敗と対処法
- F値が点滅して、写真が暗い・明るすぎる:絞りで調整できる範囲を超えています。暗いときはシャッタースピードを遅くするかISO感度を上げ、明るすぎるときはシャッタースピードを速くするか、NDフィルターを使いましょう。
- 速いシャッターにしたのに、写真がざらざらする:光が足りず、ISO感度が上がっています。少しシャッタースピードを遅くするか、明るい場所で撮りましょう。
- 遅いシャッターで、全体がブレる:手ブレです。三脚を使うか、シャッタースピードを少し速くしましょう。
- 流し撮りで、被写体までブレる:シャッタースピードを1/125秒くらいまで戻して、カメラを被写体と同じ速さで振る練習から始めましょう。
気になるギモン
SモードとAモードは、どう使い分けますか?
動きの写り方を決めたいときはS、背景のぼけ方を決めたいときはAです。止まっているものはA、動いているものはS、と覚えておくと迷いません。
SモードでもISO AUTOを使っていいですか?
はい。ISO AUTOにしておくと、シャッタースピードを速くして暗くなったときも、カメラが感度を上げて明るさを合わせてくれます。なお、ISO感度が上がり始めるシャッタースピードを決める「ISO AUTO低速限界」は、PモードとAモードで使う設定です。
Sモードでバルブ撮影はできますか?
α7 IVのヘルプガイドでは、バルブ撮影はモードダイヤルをM(マニュアル露出)にして設定する手順になっています。30秒より長く開けたいときは、Mモードを使いましょう。
練習のおすすめメニュー
まずは、次の3ステップで練習してみましょう。
- 同じ水の流れ(噴水や蛇口の水でもOK)を、シャッタースピードだけ変えて3枚(例:1/1000秒、1/60秒、1/4秒)撮り比べます。
- 撮り比べた3枚を並べて、水の写り方の違いを確認します。
- 道路を走る自転車や車で、1/125秒の流し撮りに挑戦します。慣れてきたら1/60秒まで遅くしてみましょう。
動きを撮るなら、レンズ選びも大切
スポーツやペット、乗り物など、離れた場所で動く被写体を大きく写したいなら、望遠レンズがあると撮れる写真の幅が広がります。ソニーのαなら、次のようなレンズが使いやすいです。
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レンズ・ラインアップを見るまとめ
シャッタースピード優先モード(S)は、シャッタースピードを決めるだけで、動きを止めるか、流すかを自分でコントロールできるモードです。まずは同じ被写体を、シャッタースピードを変えて撮り比べてみてください。止めた写真と流した写真の違いが分かると、動くものを撮るのがもっと楽しくなりますよ。
※出典:ソニー α7 IV ヘルプガイド(シャッタースピード優先、長秒時ノイズ低減、ISO AUTO低速限界、バルブ撮影、主な仕様)、ソニー サポート(シャッター速度とSモード、流し撮り)。内容は変更される場合があります。







